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2012.04.30 もう1つの履歴
眩しい…。
コバルトブルーの空に少し強めの陽射し。

水に反射した陽射しが眩しくて思わず目を瞑る。

「帽子かぶっておけよ」

そう言われて、うんと頷いて渡されたキャップをかぶる。

「ねぇ、楽しい?」
「楽しいよ」
「釣れなくても?」
「楽しいよ」

ふーんと返事をして曲線を描いて水面に浸かる棒を見た。
釣竿だ。

何が楽しいのかなと思いながらもその横顔を見てると何故か楽しい気持ちになれた。

「学校行ってないんだって?」
「…うん」

「そっか」

それ以上、何も聞かないでいてくれる、
それが心地よかった。

「お前もやってみるか?」
「え…私にも出来るかな?」
「俺が教えるんだから大丈夫さ」

それから晴れた日は釣りをした。
釣竿をたらして日がな一日を過ごすのは性にあっているようでのめりこんだ。

時々、横顔をみては嬉しくて恥ずかしい気持ちになった。
でも心地よくてずっとずっと続くのだと思っていた。



「う…ん」
冷たい風が頬を撫でた感触で目を開く。
目の前には誰もいない海。
自分と釣竿だけ。

夢を見ていたのか。
思い出にするにはまだ早い少し前の出来事。

教えてもらった釣り。
二人を繋ぐ共通点。
でもきっともう会えない。

海に向かって叫んだ、一度も呼べなかった名前を、
何度も何度も叫んだ。

波の音にかきけされても叫び続けた。

あの横顔を思い出しながら何度も何度も…。



###########
何となく書いてみた。


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